2024/12/17 09:30
マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」が通算16週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。
先週約1年ぶりに首位に復帰した「恋人たちのクリスマス」は、今週もトップを維持して首位獲得総週を16週目に更新。マライアにとって16週以上首位を獲得したのは、同週を記録したボーイズIIメンとのデュエット曲「ワン・スウィート・デイ」(1995~96年)と並ぶ自己最長記録で、女性アーティストとしても同曲と同率の史上最長記録を更新した。
1994年にリリースされた「恋人たちのクリスマス」は、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降、ホリデー・シーズン毎に最高位を更新して、2017年12月に初めて9位にTOP10入りし、翌18年には3位まで上昇。発売25年目の2019年12月21日付で遂に通算19曲目の首位に輝いた。首位獲得19曲は、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ史上2番目の記録で、女性アーティストとしては最多記録を保持している。
マライア・キャリーは、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から今週(2024年12月21日付)まで、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代の4つの年代で首位を獲得した初のアーティストとなった。
ソング・チャート“Hot 100”の集計が始まった1958年8月4日付以降、16週間以上首位を獲得したタイトルは「恋人たちのクリスマス」を含めて6曲で、「ラスト・ナイト」、「デスパシート」と同率の史上3番目の記録に並んだ。
シャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」 (2024年/19週)
リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」(2019年/19週)
マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(2019~2024年/16週)
モーガン・ウォレン「ラスト・ナイト」 (2023年/16週)
ルイス・フォンシ&ダディー・ヤンキー「デスパシート feat. ジャスティン・ビーバー」(2017年/16週)
マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」(1995~1996年/16週)
ハリー・スタイルズ「アズ・イット・ワズ」(2022年/15週)
マーク・ロンソン&ブルーノ・マーズ「アップタウン・ファンク」(2015年/14週)
ブラック・アイド・ピーズ「アイ・ガッタ・フィーリング」(2009年/14週)
マライア・キャリー「ウィ・ビロング・トゥゲザー」(2005年/14週)
エルトン・ジョン「キャンドル・イン・ザ・ウインド」(1997~1998年/14週)
ロス・デル・リオ「マカレナ」(1996年/14週)
ボーイズIIメン「メイク・ラヴ・トゥ・ユー」(1994年/14週)
ホイットニー・ヒューストン「オールウェイズ・ラヴ・ユー」(1992~1993年/14週)
上記の曲は全てルミネイトによる集計が始まった1991年以降に首位を獲得したタイトルで、それ以前よりも長く首位を獲得しやすくなったことが分かる。
これまで16週間以上首位を獲得したのは女性アーティストではマライア・キャリーだけで、16週間以上首位を獲得したタイトルを複数曲達成したのも史上初の快挙となる。また、2005年に14週間首位を獲得した「ウィ・ビロング・トゥゲザー」を含めて、14週間以上首位を獲得したタイトルを3曲達成したのも、マライア・キャリーが初のアーティストとなる。
「恋人たちのクリスマス」は、今週の集計期間中(2024年12月6日~12月12日)にストリーミングが4,770万回、エアプレイが2,570万回、セールスは6,000をそれぞれ記録して、今週のストリーミング・ソング・チャートでも先週に続き1位をキープ。同チャートでの首位獲得総週を通算20週目に更新し、2019年に同20週を記録したリル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」と同率の史上最長記録に到達した。
デジタル・ソング・セールス・チャートでは、先週の6位から4位に上昇。エアプレイ・チャートでは21位から17位にTOP20入りした(最高位は11位)。今週セールスが上昇したのは、12月6日にリリース30周年を記念した7インチと12インチのアナログ盤、カセットテープ、CDがそれぞれリリースされたからで、デジタル・ダウンロードを含む週間売上枚数は、前週から83%上昇している。
これまでホリデー・ソングとして首位を獲得したのは、1958年12月22日~1959年1月12日付まで4週間1位を記録した、ザ・チップマンクス&デヴィッド・セヴィルの「ザ・チップマンク・ソング」、昨シーズンに3週間を記録したブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」、今週で通算16週目に記録を伸ばした「恋人たちのクリスマス」の3曲だけで、引き続き「恋人たちのクリスマス」が最長記録を保持している。
「恋人たちのクリスマス」は、これまで2019年に3週間、2020年に2週間、2021年に3週間、2022年に4週間、2023年に2週間、そして今年は現時点で2週間、6シーズン連続で首位を獲得。初めて首位を獲得した2019年12月21日付から今週(2024年12月21日付)までの期間をちょうど5年に更新した。
また、デビュー曲「ヴィジョン・オブ・ラヴ」が初めて首位を獲得した1990年8月4日付から今週(2024年12月21日付)までの期間を34年4か月3週間に更新して、ブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」が達成した63年5か月3週間(1960年7月18日付~2024年1月6日付)に続く2番目の記録をさらに更新した。
今週「恋人たちのクリスマス」が16週目の首位を獲得したことで、マライアは首位獲得総週を通算95週目に更新し、2位以下と大差をつけてトップを独走している。
95週 マライア・キャリー
60週 リアーナ
59週 ザ・ビートルズ
56週 ドレイク
50週 ボーイズIIメン
「恋人たちのクリスマス」は、ホリデー・ソング・チャート“Holiday 100”でも今週通算63週目の首位を獲得していて、同チャートの集計が始まった2011年から総週71週間のうち63週を「恋人たちのクリスマス」が首位を独占するという記録も打ち立てた。また、ビルボードが発表した“史上最高のホリデー・ソング100曲”のリストでもトップにランクインしている。
「恋人たちのクリスマス」に続き、今週はTOP5をホリデー・ソングが独占。ブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は先週に続き2位にランクインして、2位獲得総週を13週目に更新した。
「恋人たちのクリスマス」と「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」が1位と2位を独占したのもこれが13週目(昨シーズンは1位と2位が入れ替わっている週がある)で、1位と2位に同じ曲がランクインした総週としても、史上最長記録を更新している。
13週間 1位:マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」2位:ブレンダ・リー「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」(2019~2024年)
11週間 1位:シャブージー「ア・バー・ソング(ティプシー)」2位:ポスト・マローン「アイ・ハッド・サム・ヘルプ feat. モーガン・ウォレン」(2024年)
11週間 1位:マライア・キャリー&ボーイズIIメン「ワン・スウィート・デイ」2位:ホイットニー・ヒューストン「ため息つかせて」(1995~1996年)
10週間 1位:エミネム「ルーズ・ユアセルフ」2位:ミッシー・エリオット「ワーク・イット」(2002~2003年)
9週間 1位:リル・ナズ・X「オールド・タウン・ロード feat. ビリー・レイ・サイラス」2位:ビリー・アイリッシュ「bad guy」(2019年)
9週間 1位:アデル「ハロー」2位:ジャスティン・ビーバー「ソーリー」(2015~
2016年)
9週間 1位:ロス・デル・リオ「恋のマカレナ(ベイサイド・ボーイズ・リミックス)」2位:ドナ・ルイス「ラヴ・オールウェイズ」(1996年)
9週間 1位:オリビア・ニュートン=ジョン「フィジカル」2位:フォリナー「ガール・ライク・ユー」(1981~1982年)
上記のうち、「ワーク・イット」、「ラヴ・オールウェイズ」、「ガール・ライク・ユー」の3曲は首位には到達せず、最高位も2位だった。
先週5位にTOP10復帰したボビー・ヘルムズの「ジングル・ベル・ロック」は、今週3位に上昇。先週3位に最高位を更新したワム!の「ラスト・クリスマス」は4位にワンランクダウンして、バール・アイヴスの「ホーリー・ジョリー・クリスマス」は10位から5位に上昇した(最高位は4位)。
ホリデー・ソングの上昇により先週10位にランクダウンしたレディー・ガガ&ブルーノ・マーズの「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」は今週6位に再浮上。ケンドリック・ラマーは、「Luther feat. シザ」が7位、「TV Off feat. レフティ・ガンプレイ」が8位、「Squabble Up」は10位に、今週で3週間連続3曲をTOPにランクインさせている。
同じアーティストの曲が3曲同時(同週)にランクインするのは、2024年9月から10月に8週間を記録したサブリナ・カーペンターに続く今年2組目で、男性アーティストでは2018年7月に同3週ランクインしたドレイク以来の記録となる。
R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでは今週「Luther」が首位に到達し、ケンドリック・ラマーは両チャートでそれぞれ7曲目、シザは4曲目のNo.1タイトルを獲得した。なお、3曲が収録されたアルバム『GNX』からは、3曲いずれも2つのチャートで首位を獲得している。
3週間前に史上最長となる19週目の首位を獲得したシャブージーの「ア・バー・ソング(ティプシー)」は、先週の8位から今週9位に順位を下げたが、エアプレイ・チャートでは今週20週目の首位を獲得して、26週間という大記録を打ち立てたザ・ウィークエンドの「ブラインディング・ライツ」(2020年)に続く史上2番目の記録を更新している。
また、カントリー・ソング・チャートでも今週26週目の首位を獲得して、史上4番目の最長記録を更新。2020年代では、27週を記録したギャビー・バレット「アイ・ホープ feat. チャーリー・プース」に続く2番目、 男性アーティストでは25週間を記録したモーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」を上回りトップに立った。
Text: 本家 一成
※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月21日以降掲載予定となります。
◎【Hot 100】トップ10
1位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
2位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
3位「ジングル・ベル・ロック」ボビー・ヘルムズ
4位「ラスト・クリスマス」ワム!
5位「ホーリー・ジョリー・クリスマス」バール・アイヴス
6位「ダイ・ウィズ・ア・スマイル」レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ
7位「Luther」ケンドリック・ラマー feat. シザ
8位「TV Off」ケンドリック・ラマー feat. レフティ・ガンプレイ
9位「ア・バー・ソング(ティプシー)」シャブージー
10位「Squabble Up」ケンドリック・ラマー
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